【名著要約】カラマーゾフの兄弟 / ドストエフスキー(Prototype)
まず、断っておくと
これはプロトタイプ(初模型)です。
そのうち、自分の備忘のためにもこいつは絶対に消化しておきたいのですが、やっぱり一筋縄じゃいきそうにありません。
目指すところは、「この記事を読めば、原作を読んだのと同じ」なのですが
以下、1時間の成果です。
近いうちに必ずハイクオリティの記事に進化させます・・・
ある「父親殺し事件」の前後関係と公判の詳細および被告人と被告人の父親・二人の弟の生い立ちと性質、そして
その事件の発端(ある女と因縁の金)についての
とんでもない表現力を持つ観察者による
徹底的な事実の記録と
価値判断
(一言でいうには、厳しいものがある。)
Ⅰ 最低限抑えるべき人物とその性質
①フョードル・カラマーゾフ(被害者)
父親
淫蕩、放蕩、ニヒリスト、道化
小財産家、2人の元妻、1人の不幸な女の不始末
②アリョーシャ
三男
主人公、清らかな心
俗世(梯子の下のほう)、キリストを地でいく好青年
③イワン
次男
「大審問官」※重要なモチーフのため末尾に詳細
狂気、悪魔、幻覚
もう一人の女
④ミーシャ(被告人)
長男、腹違い
俗世(梯子の上の方)、恣意的なキリスト、感情的
父親殺し
「男は高貴と寛容、女は欲望と堕落」
もう一人の女
⑤ある女(カーチャ)
賢しき蛇?、天使?
⑥長老(神父)
全きキリストの象徴
腐臭、悪魔
台無しになった評判
アリョーシャの動揺
⑦ラスコリーニコフ(最重要被疑者)
癲癇(てんかん)、アリバイ
非嫡出子
Ⅱ 味わいに必要な概念、形式、事実などの理解
プロとコントラ(肯定と否定)、苦行僧の嫉み、話のオチ
・・・Coming Soon!!!
※ 大審問官:【最重要のモチーフ】(知的ストックより引用)一つの章を通して、作中登場人物のイワンからその弟アレクセイに語られる創作物語で、彼の無神論の持説を示している。その世界の始原や神の沈黙を語るにも等しい重厚な意味合いから、この「大審問官」ためだけに、多くの関連作品や考察・書評がなされているほど。例えば、現代においてもネット上で、この問を「信仰心の堅い選ばれし者たちと信仰心を容易にパンにも替える一般人との懸隔の大きさを浮かび上がらせていて眩暈がするほど…」のものと述べられている。
簡明に書くとすれば、神はあるや否や、もしくは神はあると思うべきか否か、というのが「大審問官」の内容。イワンは、物語の後半で精神狂乱を起こしたとされている。そのせいで、兄ミーチャの刑事裁判において証人不適格になり、真実を述べた(かもしれない)のにもかかわらず、兄を救うことのできた(かもしれない)彼の証言の証拠能力は認められないのである。これは、私には由々しき問題であった。もし仮に、彼の証言に証拠能力が認められていたならば、ミーチャの運命は違っていたかもしれない。このような大いなる思想を提示したイワンは本当に狂人だったのか、幻覚が見えて癲癇の発作が起こっていたのだとしても、彼の論理的整合性や内容の筋と明瞭さ、そして容易には崩れない思考能力の盤石さが確かなものだったならば、安易に彼を狂人認定すべきではなかったのではないか。