【名著要約】「嫌われる勇気」と「幸せになる勇気」
はじめに
この記事を読めば・・・
①「嫌われる勇気」および「幸せになる勇気」に書かれている内容と
②その中でも重要な考え、そして、
③この2冊を読んだのと同じような感覚を知ることができます。
今朝から今の時分まで、パソコンのデータ整理をしていました。すると、数年前に備忘録として書いていたとある本の読書感想文が、突如姿を現しました。
既述の通り、この文章は、元々は感想文として書かれ、主に自分の備忘のため、もしくは会社からの急な書評の要望に対応するための知的ストック(愚かな表現)だったのですが、もうその役割を果たす機会は二度と訪れないことが確定しましたので・・・
ここに公開する所存であります。
届け!
もう古いと言われるのかもしれません(方々に対しての失礼?)が、
①アドラー心理学に少しでも興味がある方や
②アドラー心理学の実践者・研究者の方などに
読んでいただけたなら、自分にとって大変な喜びです。
※ 2123字と結構長い文章です。もくじを設けておらず章分けもせずだったので、今回の公開にあたって若干の校閲・改訂を行いました。赤字で自省もしているので、愚かな記述があっても、どうか目を瞑ってやってください。
以下、本文
もくじ
1 本書について、および経緯と予防線
2 2つの本の関係性
3 個人的評価
4 まとめ
1 本書について、および経緯と予防線
今回私が読書感想文の題材として選んだのは、「大ベストセラーとして空前のアドラーブームを巻き起こした『嫌われる勇気』の完結編」として知られる、自己啓発本の中でも特に名高い良書の一つ「幸せになる勇気」である。本書は、2016年2月に出版され、100万部の売り上げを博した前作の勢いに引き続き、日本に限らない数多くの諸外国に伝播するほどの影響を与えているものである。その侵略する火の如く世の中に流行する(愚かな表現①)ベストセラー本を、私はやはり見過ごすことができなかった。
この本は、表紙のサブタイトルにある「自己啓発の源流『アドラーの教え』Ⅱ」という文言から推察される通り、前作「嫌われる勇気」の続編として、岸見一郎氏と古賀史健氏の共同作業によって、新たに書き下ろされたものである。この二人からなる座組みは、当然ながら前作と同様のもので、岸見氏は1989年からアドラー心理学を研究し、日本アドラー心理学会認定カウンセラー・顧問を務めている。その一方、古賀氏については、書籍のライティング(聞き書きスタイルの執筆)を専門とし、ビジネス書やノンフィクションの分野で数多くのベストセラーを手掛けてきた実績を持つ。これらの事実を勘案しただけでも、この二部作品が、世紀の名著として世の中に名を馳せたことは、必然だったと言っても差し支えないように思う(愚かな表現②)。
2 2つの本の関係性
したがって、本書「幸せになる勇気」の感想を書くと言うことは、すなわち、前作「嫌われる勇気」を読んでいることが大前提となる。そうだとすれば、本書の一読者である私も、当然ながらその正しい手順に従ってこの本に辿り着いたのだと言うことを、まずはじめに断っておきたい。加えてもう一つ、私がここで断っておきたいのは、これから書き記す私の感想文の中に、どちらの記載から得た感想なのか判然としない文節が含まれてしまう可能性が生じるのは否めないということである。
本書のあとがきにおいて、著者の岸見一郎氏が述べているように、これら二つの良書は「地図」と「コンパス」の関係、もしくは「目標」と「行動指針」の関係にあると言い換えられる。そのため、どちらか片一方だけの感想文を書いて提出しようとするものなら、それは、中身のない弁当箱を息子に手渡す母親の恥晒しと同じようなものと言えてしまうだろう(この例えは、あまり上手くない。)(愚かな表現③)。
それでは、本書の内容について少しだけ触れようと思う。あくまで、私自身が本書を読んでどう思ったのかを書き記すのが、読書感想文たるものだと私は考える。そうであるからには、感想文という体裁をとっている以上、この記述は本書の内容のエッセンスさえ押さえられれば問題なく、なおかつ、自分のための備忘録として最良の読み物となるはずである。したがって、ここからは簡潔明瞭を意識した文章を特に意識するものとする。(愚かな段落)
3 個人的評価
では、この本の見所(加点要素)と目につく所(減点要素)を、私の全く個人的な観点から、各々端的に示すとするならば(著者のお二人に失礼を承知しながら、小生のような若輩者が勝手にも採点方式を用いようとするのは、自分の書き易さを重視したためです。易きに流されてしまう自分を恥じると共に、機会があれば是非ともこの大家二人に対し身を投げ出して土下座し、心からのお詫びを行いたいと思う所存であります。)(愚かな表現④)、以下のようなものになる。
まず、分量の少ない目につく所を挙げる。①抽象的な話が多いことと②話が行ったり来たりして、論理の飛躍が多いことの二点である。これらのことは、前作の内容にも多く見られたものであり、そのアドラー心理学という題材の性質上、抽象的な話に帰着してしまうのは致し方ないことだったとは思う。しかしながら、他のアドラー心理学に関する書籍においては、もっと体系的にアドラーの思想枠組みを説明できているところを、わかりやすい言葉と形式で示そうとした著者の工夫が、私にとっては、かえって脈略のないまどろっこしさとして感じられてしまった。
次に、分量の多い見所を挙げる。①全編が哲人と青年の対話形式で書かれている(青年が我々読者が抱くであろう疑念を代弁して哲人にぶつけてくれる)こと、②アドラー心理学の魅力と厳しさの両方が書かれていること、③例え話がわかりやすく、④不安やはっきりとしない悶々とした気持ちの正体を解き明かしてくれること、そして何より、⑤幸福の定義を「貢献感」の一言で示していたことの五点である。先ほど、抽象的で形式に難があると少し述べたが、それは同時に良い点でもあったと思う、と言うのが本当のところである。
4 まとめ
思うに、本書の内容を口頭で説明するのであれば、以下の通りになるであろう。
まず、自分の課題と他者の課題を分離し、人生のタスクから逃げない。そのためには、人の悩みとは全て人間関係の悩みであると言うことを理解し、より良いライフスタイルを自分で選択する。そして、原因論からの脱却・目的論への移行を果たさなければならない。また、二つの行動理念と二つの心理的基礎を、自分の中に盤石化させ、嫌われる勇気を持つ。そうすれば、自由を感じ、自己理解・他者信頼(≠信用)・他者貢献のサイクルを重ね、優越性の追求も果たせるのだ。
やはり結局は抽象的だが、具体的な行動にするかどうかは自分次第というところだろうか。以上が私の感想です。
追記:スティーブン・R・コブィー著「7つの習慣」の《パラダイムシフト》をはじめとした《主体的である》とかの概念に似ていますね、今思うと。《豊かさマインド》とか。どっちが正しいかというよりは、どっちが好きかの問題ですかね、この点は。